[読書]蟹工船
読んだ本
蟹工船ーまんがで読破ー
何故読んだか
自分には全く未知の世界に興味をもったので。
冒頭より
海上に孤立する工場船、ここは地獄の釜の底だ。
労働者は資本家に労働力を提供し
資本家は労働者からその日の仕事量に見合う労賃を支払う……
これが労働力と賃金の「等価交換」である。
しかし、実社会ではその労賃以上の価値が出せるように働かせるシステムが出来ており
その時生まれた価値「もうけ」はすべて資本家のモノになる
……つまり
「搾取」である
概要
- 昭和初期ー北海道函館
- 蟹工船博光丸で4ヶ月北方の洋上へ出る
- 荒波の船内で実働16時間休日無し、毎日過酷な肉体労働を強制される
当時の国道開発や鉄道敷設の土木部屋も酷かった。
侮辱的に「タコ部屋」と呼ばれー
それらのタコ部屋では、私刑や過重労働で多くの労働者が虐待されていた。
昭和45年北海道常紋トンネルの改修工事中に壁に埋められた人骨が発見されたーー
死んだ労働者や病気のある者たちは「人柱」にされていたと当時の関係者は証言している。
ーー坑道の壁は、オラたち坑夫の肉が丈夫にしてんのさーー
ある人たちは、自分の土地が持てると政府が勧めるものだから、夢を賭け借金までして移住してきたというのに、彼らに与えられた土地は、粘土と石コロだけの荒れた土地ばかりだった。豊かな土地はすでに銀行や華族などの金持ちのモノになっている。
…やっとの思いでその土地を耕しても移住の時の借金のカタにすべて没収されてしまう。
最初からそういう仕組みが出来上がっている。
そして、北海道の開拓地では大雪に閉じ込められて、食べ物も無くて……
この春までに一家全員が餓死する家も何件もあった。
そういう者たちが、この船に賭けて集まって来る。
蟹工船は「工船」であり「航船」ではないため、航海法は適用されず純然たる「工場」であるにも関わらず、工場法の適用さえも受けられなかった。
これ程都合よく「勝手にできる」場所はない。
ーーまさに地獄であった。ーー
と記しています。
主人公たちは、地獄の船上を変えようとストライキを試みるも帝国海軍により失敗に終わってしまう。
帝国海軍も所詮資本主義の下僕だったのだと嘆く。
他の者たちも立ち上がり、全員で2度目のストライキへーー
流石に全員帝国海軍に捕まれば、操業出来なくなる。
ストライキは無事に成功に終わる。
感想、読後感
はっきり言って読んで良かったです。
漫画で読むことにより、自分の知らない世界へ違和感なく自然に物語へ没入出来るのが良かったです。